夫婦の証





気付いたんだ………
いつのまにか、一護が指輪をしていないということを………

結婚指輪は二人が夫婦であるという証だと思ってたから
気付いた時はちょっと寂しかった。
なんだか婚約を解消されたみたいで……

結婚5年目
子どももいる
今でも仲がいいと思う

それなのにどうしてはずしちゃうのよ
私たち、夫婦でしょ??

いつから指輪をしなくなったんだろう??
考えても
わからない
一護が指輪をしなくなった理由が知りたい

私はずっと大切に左手の薬指にはめているのに、一護がしなくなったことが気になって、気になって、仕方がなかった。
日々の生活に支障が出てしまうほど気になっている

幼い子どもの世話をしているときも
子どもと遊んでいるときも
洗濯をしているときも
掃除をしているときも
料理しているときも

ずっと、ずっと最近の私の頭の中は一護がどうして指輪をしなくなった理由をずっと探していた。







一護が仕事から帰ってきて

夕飯を食べて

大事な幼い子どもを寝かしつけて

2人っきりの夜の夫婦の時間。
いつもならこの時間が心地よいのに、一護が指輪をしなくなってからは何かを失ったような感情が私に押し寄せて
気持ちがぐらつく。

私は一護のカップにコーヒーを入れて、ダイニングの椅子にもたれかけてテレビを見ている一護にそのカップを渡す

そして私もダイニングの椅子に座ってカップを握りしめゆっくりとコーヒーを飲む

一護がいつの間にか指輪をしなくなったことに気付いてから、
どうして一護がしなくなったか気になって、理由を知りたくて、ちょっと寂しくって、
一護とあまり話さなかった

テレビを観ている一護の横顔を見ながら、話しかける。


「いつから……しなくなったんだ?」

「あ!? 何を??」

私はぎゅっと手元のカップを握りしめる


「…………どうして………いつからしなくなったんだ??……結婚指輪………」

男性は結婚していても、面倒だとか、仕事に邪魔になるとかいう理由で指輪をしない人もいる。
一護もその男の一人なのかな?と思うと、やっぱり寂しかった。
ずっと一緒のおそろいを着けていて欲しかった。

目が涙で潤んで、泣きそうになる。

『旦那が結婚指輪をしなくなった』というこんな小さな事で泣きたくはないと思っていた。
泣くなんてありえない
子どもがいるような大人にまでなって
小さな事で泣くなんてみっともない
 と自分では思っていたのに、

実際、私は半泣きでいる。

一護は私の半泣きの顔を見て、驚いて自分の手を見る。

「あ・・・・」
自分が指輪をしていないことに気付いたかのように慌てて一護は言葉を紡ぎはじめた。

「あ!その! こないだ仕事してるときに、オマエとの大切な指輪、傷つけてしまいそうだったから外したんだ」

一護が指輪を外したのはしょうもない理由だった。
面倒だからとか、邪魔になるからとかという理由で外したのではなかった。
『大切な指輪を傷つけてはいけない』という理由から外したのであった。
一護が指輪をはめるのをやめたのではないと知って私はちょっと安心した。
むしろ私との指輪を大事にしてくれるんだというのがわかってとても嬉しかった。

だけど一護は私に申し訳ないことしたなという顔をした。

「別にオマエが嫌いになったとかそういう理由じゃなかったんだ・・・
ごめんな」

そう言って私の座っている椅子まで来て、

一護は私を抱きしめた。





私を抱きしめた後、一護はスーツのポケットから指輪を出して、自分の手にはめた

もう外さないって・・・・













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たいていの男の人って、面倒だとか仕事に邪魔になるとかって指輪を外してしまうじゃないですか?
結婚指輪をずっとはめている男の人って偉いなって思いません?

2007.6.18 Mikayo Misaki

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